昨今、資材価格の高騰や住宅ローン金利の上昇懸念などにより、不動産業界はかつてない逆風にさらされています。「在庫物件が売れず資金繰りが苦しい」「借入金の返済が重く、事業継続が困難だ」と、頭を抱えている経営者の方もいるのではないでしょうか。

特に不動産業の場合、一般的な業種とは異なる悩みもつきものです。

  • 賃貸管理物件の入居者への対応や敷金の返還が不安
  • 保有している土地や建物の任意売却がうまくいかない
  • 進行中の売買契約や建築請負契約をどう処理すべきか

もし、会社の倒産や破産を検討しているなら、一刻も早く弁護士へ相談することをおすすめします。なぜなら、不動産の処分には複雑な権利関係の整理が必要であり、入居者や取引先への影響も甚大で、高度な法的判断が求められるからです。

適切な手順を踏むことで、混乱を最小限におさえ、再出発への道筋をつけることができます。

本記事では、不動産業の倒産・破産手続きの流れや特有の注意点について、弁護士がわかりやすく解説します。最後までお読みいただければ、複雑な問題が整理され、冷静に次の行動を選択できるようになるはずです。

この記事でわかること

  • 不動産業が倒産する主な要因
  • 管理物件や契約解除など特有の注意点
  • 破産手続きの具体的な流れ
  • 弁護士に依頼するメリット

【記事のまとめ】

不動産業界は、資材高騰や金利上昇などの影響を受け、経営の舵取りが難しさを増しています。不動産業の破産手続きでは、管理物件の入居者対応や敷金の取り扱い、進行中の契約処理など、権利関係が複雑で高度な専門判断が不可欠です。

自己判断での対応は、関係者とのトラブルを招き、事態をさらに悪化させるリスクがあります。そのため、早期に弁護士へ支援を求めることが極めて重要です。弁護士に手続きを一任することで、煩雑な業務や精神的な負担から解放され、再出発に向けた準備に専念できます。リスクを抑え、円滑な解決を図るために、まずは弁護士法人グレイスへご相談ください。初回相談は無料です。

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不動産業の破産・倒産を弁護士に相談するメリット

 不動産業の破産・倒産を検討・実行する場合には、弁護士にご相談をなさるべきといえます。以下、まずは不動産業の破産をお考えの方向けに、弁護士に相談するメリットをご紹介します。

複雑な倒産手続をスムーズに進められる

 まずは、複雑な倒産手続をスムーズに進められることにメリットがあります。

 当然のことではありますが、倒産手続は、法律に則って執り行われます。しかも、リース契約の帰趨、事業所等の賃貸物件の明渡し、雇用契約の解消など、非常に多種多様な法律問題が絡む手続となります。このため、企業経営者がご自身の手でその対応・処理をすることはほぼ不可能といえるでしょう。

 まさに法律の専門家である弁護士にご相談・ご依頼いただくことで、複雑に絡み合った法律問題をほぐしてもらい、スムーズに手続を進めてもらうことが期待できるのです。

最適な倒産手続を選択できる(再建型か清算型か)

 次に、最適な倒産手続を選択できる点にもメリットがあります。

 倒産手続には、大きく分けて、①再建型と②清算型があります。企業の特徴・現状に合わせて最適な手続を選択するべきです。

 第一に再建型は、民事再生・会社更生といった手続を指します。これらの手続では、法人を残したまま、借金額の圧縮等をして返済計画を立て直し、企業再建を図ります。この場合には、従業員の雇用を守ったり、企業の伝統を残したりすることができます。M&Aを用いて企業(又は事業)を残すのも、再建型の裁判外手続といえるでしょう。

 第二に清算型は、破産・会社清算といった手続を指します。企業を完全に無くしてしまう代わりに、借金も全て無くすこととなります。この場合には、企業の財産は全て現金化されて配当に回されることとなります。従業員の雇用等は守られないのですが、全ての借金の返済義務を免れることができます。

 これらの手続のどちらを用いるべきかは、まさに企業の現状を踏まえながら法的視点から検討・決定すべきです。この点についての助言を受けることができるのも、弁護士に相談するメリットといえるでしょう。

不動産業の倒産・破産が発生する要因

 不動産業の倒産・破産が発生する要因は、以下のような点にあります。

景気悪化・資金不足

 まずは、景気悪化とこれに伴う資金不足です。

 景気が悪化している影響で、不動産の売買がなかなか進みにくくなっているようです。地価が高騰していることも、不動産購入を渋る状態に拍車を掛けています。これに伴い、不動産業者が資金不足・資金ショートに悩むことになります。

引越し数の減少

 また、引越し数が減少したことも挙げられます。

 昨今は、いわゆる新型コロナウイルス感染症蔓延中に普及したリモートワーク・在宅勤務の普及に伴い、全国どこからでも仕事ができるようになりました。これにより、転勤・出向した場合であっても、引越しが要らなくなってきているのです。

 そうするとなかなか不動産は売れませんので、上記のとおり、資金不足の問題に悩まされてしまうこととなります。

最新技術が導入できていない

 街の不動産業者・中小企業では、最新技術の導入ができていないことから競争力に欠け、倒産に追いやられるケースも出てきています。

 オンライン内見が普及するようになると、もはや地場の不動産業者を頼らずとも賃貸物件の内見・内覧ができるようになってしまいます。事業維持のためには、このような技術革新に追いつく必要性もあるのです。

後継者不足や人手不足

 更に、不動産業者に限った話ではありませんが、後継者不足や人手不足の問題が深刻化しています。

 タイパ・コスパが重視される時代に、飛び込み営業や、駅周辺での看板持ち・ティッシュ配りなど、泥臭い営業は好まれないのかもしれません。どうしても不動産業者に対する若者のイメージが向上せず、後継者が居なかったり、新入社員を獲得できなかったりして人手不足に陥る企業が増えています。

不動産業の倒産・破産における注意点

 このような原因で不動産業者の倒産・破産は起きるのです。それでは、実際に不動産業の倒産・破産における注意点についても見てみましょう。

宅建業免許の廃業手続

 まず、宅建業免許の廃業手続が必要になります。

 宅地建物取引業免許を取得している者が破産手続を取る場合には、廃業の理由に該当することとなった日から30日以内に、廃業手続を取ることが必要になります。この点を忘れることのないように注意が必要です。

倒産時の預かり金と契約中案件の処理

 また、倒産時の預かり金と契約中の案件の処理も重要です。

 通常、破産手続を選択する場合には、勝手に預かり金を返金したり、契約中の案件の処理を続行したりすることはできません。これらの行為が、破産する会社の債権者間の平等を害してはならないためです。

 このため、むしろ預かり金を預けてくれている方や、契約中の顧客へ説明することや、破産手続が進む中での見通しを伝えることが重要となってきます。この点は、ぜひ弁護士にお任せいただきたいところです。

不動産業の倒産時の流れ

 さて、最後に、不動産業の倒産時の流れについてご紹介します。

弁護士への相談

 最初に、倒産・破産を検討する際には、必ず弁護士に相談しましょう。

 そもそも法人が破産手続を選択する場合には、弁護士の助力は必須です。ここで法人破産になれた弁護士にご相談をいただくことができれば、上記のとおり、会社の現状を踏まえた上での適切な助言を受けることができます。

破産手続

 会社の現状を踏まえて破産手続が必要であると判断された場合には、会社に関する資料を収集・整理した上で、裁判所への申立書の作成を弁護士が行います。破産する際には、会社が保有する財産、会社が抱える契約などを書面上に整理して裁判所に示す必要があるのです。

 この申立書が完成したら裁判所に提出し、破産手続開始決定が下されます。

 この決定と同時に、破産管財人が選ばれます。破産管財人は、破産する会社の財産状況を調べるとともに、その現金化・配当を行う弁護士です。会社を破産させる場合には、代表者は破産管財人の調査に協力する義務を負います。

 全ての財産の現金化・配当が終了すれば、破産手続が終了することとなります。

従業員解雇と取引先への通知

 また、会社を破産させる場合には、従業員の解雇と取引先への通知・連絡が必要となります。これらの対応は、全て弁護士に任せてしまいましょう。特に、解雇時期をいつにするか、取引先への通知・連絡のタイミングをいつにして、どの程度の情報を通知・連絡するか、という点は、法律上の検討も要する事項ですので、ご自身で決めない方が無難です。

資産処分

 場合によっては、破産手続を申し立てる前に、一部の資産を売却・処分する必要があるかもしれません。資産の処分も勝手に行ってしまうと破産手続における不正行為とみられてしまう場合がありますから、必ず事前に弁護士と協議してください。

まとめ

 以上のとおり、不動産業者の倒産・破産についてご説明しました。自社の経営状況が悪化してきた場合には、まずは一度弁護士にご相談いただくことが重要です。実際に破産する前に、情報収集として相談しておくことも役立つでしょう。

 当事務所では、法人破産に特化した対応をしています。お悩みの場合には、ぜひ当事務所にご相談ください。