株式会社 販売業
手形の不渡りが原因で医療機器販売業が破産した事例
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売上規模
- 年間約1億4000万円
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従業員数
- 3人
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不動産
- あり
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負債総額
- 1億4300万円
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債権者数
- 約30名
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個人債権者の有無
- あり
債務の主な原因
競合他社との競争激化による売上の低迷に加え、従業員の給与の確保のために借入れを重ね、更には1000万円を超える手形の不渡りを出してしまったことにより、掛けによる取引ができなくなり資金繰りが悪化したことが大きい。
弁護士から見た事件のポイント
本件は手形の不渡りを出した後にご相談を受けたことから、既に信用不安が十分に起きている状況から受任した点に特徴があります。通常、信用不安が公になっていない状態で破産手続のご相談を受けることが多く、代理人からの受任通知を各債権者に送付してはじめて取引先等が危機的状況を知るに至ります。しかしながら、本件は既に信用不安に陥っている状態から破産のご相談を受けたことから、各債権者はいずれも債権回収に躍起になっている点が難しい点でした。現に、破産手続に必要な費用に充てるべき売掛金が先取特権の行使により差押えを受ける等の状況となりました。
破産手続は弁護士のみならず裁判所に対しても一定の費用を要することから、最低限の費用工面をしなければ破産手続開始決定すら得られなくなるおそれがある点に注意を要します。
結果
破産手続開始決定を得るまでに一定の時間を要しましたが、最低限の費用保全をすることができ、無事破産手続が終結しました。