株式会社 青果卸売業
全国規模の不祥事を起こしてしまった青果卸売業の破産事例
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売上規模
- 約1億円
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従業員数
- 約10名
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不動産
- 有り
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負債総額
- 約8000万円
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債権者数
- 約30名
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個人債権者の有無
- 有り
債務の主な原因
「産地偽装の不祥事発覚による行政処分」
利ざやを確保するために、外国産の青果を国産と偽る産地偽装を長年に渡って行っていたことが農林水産省の調査によって発覚しました。その影響は全国的に波及し、農林水産省から行政処分を受けることは確実と考えられました。
これにより、取引先から取引停止を通知されることが見込まれるため、銀行等からの借入を返済することは不可能と見込まれました。
弁護士から見た事件のポイント
青果卸売業のように、生鮮食品を扱う業種ではいかに迅速に破産申立てを行うかが鍵となります。なるべく破産財団を縮小させないためには、生鮮食品の在庫を売却する見通しを立てる必要があります。
とりわけ、本件のような不祥事事案における破産では、債権者の悪感情が強く、取立ての強行や多数のクレームから依頼人を守る必要があるため、取引先及び関係者に対し、丁寧な事情説明を行うことが求められます。
緊急性が求められる破産事案では、担当する弁護士の経験や事務所を挙げた組織的な対応が必要不可欠です。
結果
本件の申立ては弁護士複数人で対応することにより1週間で完了し、破産財団の縮小は最小限に留められました。
取引先及び関係者に対する説明も功を奏し、依頼者へのクレームも抑えられました。
新聞で報じられるような大規模な不祥事でしたが、速やかに破産手続に移行したことにより、大きなトラブルもなく破産手続は終結しました。