破産
株式会社 印刷業

コロナ禍により急激に業績が悪化し、差押えを受けた印刷業の破産事例

売上規模

2000~2500万円

従業員数

3名

不動産

無し

負債総額

約1000万円

債権者数

約30名

個人債権者の有無

有り

債務の主な原因

「コロナ禍による業務以来の急激な減少」

 印刷業はコロナ禍によって致命的な打撃を受けた業種の1つです。対面によるイベントやセミナーが開催されなくなり、チラシ等の作成依頼が激減しました。

 これにより売上が大きく損なわれるばかりでなく、ペーパーレス化が進み、依頼者の業績改善は難しい状況にありました。

 最終的に、公租公課の不払いから税務署等から滞納処分による差押えがなされ、これ以上の事業の続行は不可能となり、破産に至りました。

弁護士から見た事件のポイント

 本件では、既に滞納処分による差押えがなされた点がポイントになります。

 差押えにより口座から預金を引き出せなくなると、破産申立てをするにあたり、裁判所に納付する予納金が準備できなくなり、破産に支障が出るおそれが否めません。

 更なる滞納処分を受ける前に迅速な申立てを行い、破産手続開始決定を得て、滞納処分を受けないように配慮をする必要があります。

 まさに弊所と税務署等との間で、どちらが先んじるか時間勝負となりました。

結果

 本件は更なる滞納処分が行われる前に、破産手続開始決定を得ることに成功し、売掛金を確保することができました。

 予め裁判所に根回しを行い、破産手続開始決定がスムーズに行われるよう図ることで破産手続を行うことが肝要です。

 コロナ禍等外部的な要因により業績が苦しくなった場合は、滞納処分により綱渡り的な破産手続となってしまう前に、弁護士に相談をした方が望ましいことは言うまでもありません。