破産・倒産
個人事業主 飲食店

腕利きの若手職人が出店したイタリア料理店の経営相談と破産事例

売上規模

600万円

従業員数

1名

不動産

なし

負債総額

約1000万円

債権者数

約10名

個人債権者の有無

有り

債務の主な原因

「出店場所を見誤ったことによる客不足」

 飲食店を出店した地域に競合があり、出店時から激しい競争に晒されていました。

 また、立地の点から、メインターゲットとなる女性層にリーチすることが難しかったことも悪影響を及ぼしていました。

 出店場所が車の運転が必須となる地域であったため、お酒のオーダーが入りにくいことも利益率の悪化につながっていました。

弁護士から見た事件のポイント

 立地が不利であること以上に、破産に至った何よりの原因は、借入に対する見通しが甘かったことです。

 出店をしてみて想定以上に利益が確保できないのであれば、経営戦略を練り直すだけの時間的猶予が必要です。しかしながら、初期費用に大部分の借入金を用いてしまい、次の手を打つだけの時間がなかったことが致命的でした。

 もっとも、職人としての腕があることは確かであるため、弁護士も一緒になって具体的な売上目標の数字をたてました。現地入りして経営改善策を考案したうえで、資金ショートに陥るまでの僅かな猶予期間で、売上目標に到達できるかをご検討いただきました。

結果

 最終的に、売上目標の達成は難しいとの結論に至り、破産事件として受任しました。しかしながら、早期に破産の方向に舵を切れたことから、生活再建の目途が十二分に立ちました。

 経営相談といえば、コンサルタントや税理士のイメージが強いと思われますが、企業法務に特化した弁護士であれば、より専門的な法的知見から、経営を続けるべきか、破産すべきかを的確に判断できます。

 経営に行き詰まったら、企業に詳しい弁護士に相談してみることもお考えください。